半べそ

コ塗ッタへ戻る。

午後三時過ぎぐらいでしたか。
アパートの塗替え現場です。
府中市の是政橋の近くです。まだ寒い時期で、おまけに日当たりが
あまりよろしくない、立地条件で寒かったのを、覚えてます。
ただ、この地域は、珍しく子供が多いような気がしました。
現場によっては、仕事で通っている最中、ほとんど子供の姿を見ないところもあります。
高齢化が進んで、そうゆう偏った地域ができているように、感じられます。
前の道を子供が、行き交うのはなんとなく、いいです。
もちろん、お年寄りも通られますし、いろいろな世代のかたが、
通っていかれます。
とにかく、バランスがいいんですよ。こどもがある程度いると。
わたしは、そうおもいます。
ところで、三時過ぎに来たのは、あきらくんです。
どうやら、蹴っていたサッカーボールが近くにある東京ガスの施設の中に
蹴りこんでしまったらしく、半べそで、なんとかとってくれとたのみにきたんです。
その時わたしは、実は初対面で名前も知らないかったんです。
あとで、二年生のあきらくんだと知ったんです。
ちょうど、土曜日だったんで、施設の中には誰もいませんでした。、
あきら君の手には魚取りの網がありました。
今思えば、あきらくんも、彼なりにいろいろ試して、ボールを取ろうとしていたんでしょう。
私のところへ来た時には、まさに万策尽きた時だったのです。
ただ、わたしは、一旦は断りました。
なぜならば、第一に何か道具がなければ、どうにもならないこと。
第二にその施設は、セキュリィティ会社が管理していて、
無断で立ち入ると、やっかいなことになりそうだったからです。
よほど大事にしているボールだったんでしょう。
あきらくんは、まさに半べそで、もういちど、とってくれないかと、
たのんできました。
「いい半べそ」でした、もちろんなんとか、取ってあげました。
運良く、セ○ムは来なかったです。